適応症
不妊症(卵管性不妊、男性不妊、機能性不妊または一般不妊治療が無効であるものであって、これまで反復して着床または妊娠に至っていない患者(子宮内膜刺激術が実施されたものに限る。)に係るものに限る。)
技術の実施期間
2022/05/01~
療養内容
治療計画
○新鮮胚移植の場合
体外受精により作出された受精卵を体外で2~3 日間培養し、得られた初期胚1個について胚移植を行い、残った初期胚についてはさらに継続して培養を行い受精から5~6 日で得られた胚盤胞をさらに胚移植する。採卵後15 日目頃に血中hCG を測定し妊娠判定を行う。妊娠判定が陰性であれば、研究は終了とする。
妊娠判定が陽性となれば、引き続き経過を観察し超音波検査により胎嚢が確認できれば臨床妊娠と判定し観察終了とする。胎嚢が確認できなければ化学流産として試験は終了とする。
○凍結融解胚移植の場合 体外受精により作出され初期胚の一部を凍結保存する。残った初期胚についてはさらに継続して培養を行い受精から5~6 日で得られた胚盤胞について凍結保存を行う。保存された初期胚および胚盤胞を、翌周期以降に二段階胚移植を行う。
二段階胚移植(凍結融解胚移植)は自然排卵周期またはホルモン補充周期で行う。
自然排卵周期の場合は月経10 日目頃より数回の診察を経て排卵日が確定しホルモン値や子宮内膜厚等に問題なければ、排卵後2~3 日目に凍結保存していた初期胚を1 個融解して移植する。移植の手技は通常の胚移植と同様である。
さらに排卵後4~6 日目に凍結保存した胚盤胞を1 個融解して移植を行う。胚移植時には感染のリスク等を鑑み、医学的に必要と判断された場合には抗生剤の処方を考慮する。
ホルモン補充周期では月経開始2 日目から卵胞ホルモン製剤の投与を開始し、月経12~14 日目の診察でホルモン値や子宮内膜厚の確認後問題なければ月経15 日目より黄体補充を開始する。
黄体補充開始後2~3 日目に、凍結保存していた初期胚を1 個融解して移植する。移植の手技は通常の胚移植と同様である。
さらに排卵後4~6 日目に凍結保存した胚盤胞を1 個融解して移植を行う。胚移植時には感染のリスク等を鑑み、医学的に必要と判断された場合には抗生剤の処方を考慮する。
排卵または黄体補充開始後15 日目頃に血中hCG を測定し妊娠判定を行う。妊娠判定が陰性であれば、研究は終了とする。
妊娠判定が陽性となれば、引き続き経過を観察し超音波検査により胎嚢が確認できれば臨床妊娠と判定し観察終了とする。胎嚢が確認できなければ化学流産として試験は終了とする。
胚移植当たりの臨床妊娠率を算出し、二段階胚移植の適応となるが、必要な初期胚と胚盤胞が得られない等の理由から初期胚2個移植あるいは胚盤胞2個移植を行った症例を対照群として、妊娠率の比較を行い有用性の検証を行う。