先進医療Q&A
Q.先進医療にはどんなものがあるの?
先進医療は、大学病院や研究機関などで研究・開発された、公的医療保険を適用するか検討中の最先端の医療技術です。粒子線を用いた放射線治療や、手術支援ロボットを用いた外科療法、培養細胞を用いた再生医療などのほか、抗がん薬などによる薬物療法や医療機器を用いた検査・診断法まで、さまざまな医療技術があります。
また、治療期間も各技術によって異なり、平均入院日数が3カ月を超えるものから、病院の外来や診療所(クリニック)で日帰りで治療を受けられるものまであります。
Q.先進医療はどこの医療機関でも受けられるの?
先進医療は、一定の施設基準をクリアしている医療機関が、医療技術ごとに厚生労働省に届け出て、厚生労働大臣の承認を受けて実施しています。同じ医療技術を行っていても、その技術の先進医療実施機関として承認されていない医療機関で受ける場合は、自由診療となります。また、医療技術には、それぞれ適応症や条件が定められており、それらを満たしていない場合も先進医療として受けることができません。
Q.先進医療を受けるにはどうすればいいの?
先進医療は治療法のひとつで、患者さんが希望し、かつ医師がその必要性と合理性を認めた場合に行われます。
先進医療を受ける流れは、具体的には下記のようになります。
① 一般の保険診療を受けるときと同じように、被保険者証を医療機関の窓口に提出します。先進医療を実施している医療機関では、患者さんが治療法を選択しやすいように、院内の患者さんの目につきやすい場所に、治療内容や費用について掲示をすることになっています。
② 医療機関から治療内容や必要な費用などについて説明を受けます。患者さんは十分に理解し、納得したうえで、同意書に署名をし、治療を受けましょう。
③(実施後)先進医療にかかる費用、公的医療保険の適用部分についての一部負担金、食事についての標準負担額などを支払い、各金額を記載した領収書を受け取ります。領収書は医療費控除を受ける場合に必要となるので、大切に保管しておきましょう。
Q.先進医療は高額なイメージがあるけれど……
先進医療にかかる費用(技術料)は、1件が900万円を超える高額なものもありますが、1万円以下のものもあります。
-
先進医療技術名
年間実施件数
平均技術料
-
周術期デュルバルマブ静脈内投与療法
26件
9,309,778円
-
インターフェロンα皮下投与及びジドブジン経口投与の併用療法
4件
1,139,670円
-
子宮内膜受容能検査1
4,847件
130,409円
-
ウイルスに起因する難治性の眼感染疾患に対する迅速診断(PCR法)
844件
28,140円
-
術後のアスピリン経口投与療法
590件
1,650円
*厚生労働省・第127回先進医療会議「令和5年度実績報告」(2022年7月1日~2023年6月30日)から引用。平均技術料は「令和4年度実績報告」をもとに当社にて試算。
なお、先進医療は、「保険外併用療養費制度」の対象で、保険診療と自由診療の併用が認められています。先進医療にかかる費用(技術料)は全額自己負担し、それ以外の通常の治療と共通する部分の費用は一般の保険診療と同様に公的医療保険が使えます。さらに、公的医療保険適用範囲のうちの自己負担額が一定限度額を超えた場合は、公的医療保険から払い戻しを受けられる「高額療養費制度」があります。
⇒詳しくは「先進医療の基礎知識」へ