先進医療の実績
「先進医療A」と「先進医療B」
先進医療には、「先進医療A」と「先進医療B」があります。「先進医療A」は、薬機法上の承認・認証・適用がある薬剤や医療機器を用いた医療技術です。また、承認などが得られていない検査薬などを使用する先進医療技術のうち、人体への影響が極めて小さいものも、「先進医療A」として分類されます。一方、「先進医療B」は、薬機法上の承認などが得られていない薬剤や医療機器を用いた医療技術です。
先進医療のなかには、保険診療への導入が決まり先進医療でなくなる医療技術や、さまざまな要因から先進医療から削除(承認取消)される医療技術、新たに追加される医療技術もあるため、承認技術は随時変動しています。
実施医療機関数、患者数、先進医療にかかる費用の総額の推移
2006年に先進医療がスタートしてから、先進医療を実施している医療機関は年々増加していましたが、2020年には大幅に減少しました。 その主な要因として、実施医療機関数の多かった技術が先進医療から削除されたことが挙げられます。2021年は実施医療機関数と患者数、先進医療にかかる費用の総額いずれも、前年とほぼ同程度となりました。
先進医療の実施医療機関の推移(過去5年間)

※ 1施設で複数の先進医療技術を実施している場合でも、1施設として計上。
患者数と先進医療にかかる費用の総額の推移(過去5年間)

年間実施件数の多い先進医療技術
-
順位
先進医療技術名
年間実施件数
平均技術料
実施医療機関数
-
1
タイムラプス撮像法による受精卵・胚培養
15,832件
32,558円
150機関
-
2
子宮内膜刺激術
1,814件
33,546円
82機関
-
3
強拡大顕微鏡を用いた形態学的精子選択術
1,516件
15,460円
27機関
-
4
陽子線治療 ※1
1,293件
2,692,988円
20機関
-
5
ヒアルロン酸を用いた生理学的精子選択術
847件
25,984円
35機関
※1 この「陽子線治療」の適応症は、「頭頚部腫瘍(脳腫瘍を含む。)、肺・縦隔腫瘍、消化管腫瘍、肝胆膵腫瘍、泌尿器腫瘍、乳腺・婦人科腫瘍又は転移性腫瘍(いずれも根治的な治療法が可能なものに限る。)」です。
1件あたりの自己負担金額(技術料)が高額な先進医療技術
-
順位
先進医療技術名
年間実施件数
平均技術料
実施医療機関数
-
1
周術期デュルバルマブ静脈内投与療法
18件
5,686,808円
11機関
-
2
自己軟骨細胞シートによる軟骨再生治療
3件
4,045,186円
1機関
-
3
抗腫瘍自己リンパ球移入療法
2件
3,812,354円
1機関
-
4
重粒子線治療 ※2
562件
3,162,781円
5機関
-
5
重粒子線治療(非小細胞肺がん)
3件
3,054,333円
3機関
※2 この「重粒子線治療」の適応症は、「肺・縦隔腫瘍、消化管腫瘍、肝胆膵腫瘍、泌尿器腫瘍、乳腺・婦人科腫瘍又は転移性腫瘍(いずれも根治的な治療法が可能なものに限る。)」です。
*このページの図表は、厚生労働省・第117回先進医療会議「令和4年度実績報告」(2021年7月1日~2022年6月30日)を参考に作成しています。