先進医療の実績
「先進医療A」と「先進医療B」
先進医療には、「先進医療A」と「先進医療B」があります。「先進医療A」は、薬機法上の承認・認証・適用がある薬剤や医療機器を用いた医療技術です。また、承認などが得られていない検査薬などを使用する先進医療技術のうち、人体への影響が極めて小さいものも、「先進医療A」として分類されます。一方、「先進医療B」は、薬機法上の承認などが得られていない薬剤や医療機器を用いた医療技術です。
先進医療のなかには、保険診療への導入が決まり先進医療でなくなる医療技術や、さまざまな要因から先進医療から削除(承認取消)される医療技術、新たに追加される医療技術もあるため、承認技術は随時変動しています。
実施医療機関数、患者数、先進医療にかかる費用の総額は増加傾向
2006年に先進医療がスタートしてから、先進医療を実施している医療機関は年々増加しています。また、患者数も増加傾向にあり、近年は年間約2~3万人が先進医療を受けています。それに伴い、先進医療にかかる費用の総額も概ね増加し、先進医療がより身近になってきていることがわかります。
先進医療の実施医療機関の推移(過去5年間)

※ 1施設で複数の先進医療技術を実施している場合でも、1施設として計上。
先進医療にかかる費用の総額と患者数の推移(過去5年間)

年間実施件数の多い先進医療技術
-
順位
先進医療技術名
年間実施件数
平均技術料
実施医療機関数
-
1
陽子線治療 ※1
1,295件
2,697,658円
15機関
-
2
MRI撮影及び超音波検査融合画像に基づく前立腺針生検法
821件
107,661円
18機関
-
3
重粒子線治療 ※2
720件
3,089,343円
6機関
-
4
ウイルスに起因する難治性の眼感染疾患に対する迅速診断(PCR法)
375件
29,608円
13機関
-
5
糖鎖ナノテクノロジーを用いた高感度ウイルス検査
295件
3,441円
4機関
※1 この「陽子線治療」の適応症は、「頭頚部腫瘍(脳腫瘍を含む。)、肺・縦隔腫瘍、消化管腫瘍、肝胆膵腫瘍、泌尿器腫瘍、乳腺・婦人科腫瘍又は転移性腫瘍(いずれも根治的な治療法が可能なものに限る。)」です。切除非適応の骨軟部腫瘍、頭頚部腫瘍(口腔・咽喉頭の扁平上皮がんを除く)および限局性前立腺がんは、2018年4月に保険診療となりました。
※2 この「重粒子線治療」の適応症は、「肺・縦隔腫瘍、消化管腫瘍、肝胆膵腫瘍、泌尿器腫瘍、乳腺・婦人科腫瘍又は転移性腫瘍(いずれも根治的な治療法が可能なものに限る。)」です。頭頚部腫瘍(口腔・咽喉頭の扁平上皮がんを除く)および限局性前立腺がんは、2018年4月に保険診療となりました。
1件あたりの自己負担金額(技術料)が高額な先進医療技術
-
順位
先進医療技術名
年間実施件数
平均技術料
実施医療機関数
-
1
重症低血糖発作を伴うインスリン依存性糖尿病に対する脳死ドナー又は心停止ドナーからの膵島移植
2件
3,669,346円
1機関
-
2
ニボルマブ静脈内投与及びドセタキセル静脈内投与の併用療法
46件
3,423,791円
18機関
-
3
重粒子線治療(肝細胞がん)
8件
3,365,000円
3機関
-
4
重粒子線治療(非小細胞肺がん)
11件
3,270,909円
4機関
-
5
ゲムシタビン静脈内投与及び重粒子線治療の併用療法
9件
3,260,000円
3機関
*このページの図表は、厚生労働省・第81回先進医療会議「令和元年度実績報告」(2018年7月1日~2019年6月30日)を参考に作成しています。