適応症
不妊症(卵管性不妊、男性不妊、機能性不妊または一般不妊治療が無効であるものに限る。)
技術の実施期間
2022/04/01~
療養内容
対象:胚移植を必要とする不妊症
方法:
体外受精により作出された受精卵を体外で5~6 日間培養し、得られた胚盤胞は一旦凍結保存する。この際に体外培養に使用された培養液(当院ではSAGE 1-Step メディウムを約50~100μl使用)を、胚盤胞とは別の容器に封入した後に凍結保存しておく。この培養液(リンス液という)の中に、受精卵が成長する過程に排出される伝達物質が含まれていると考えられる。
胚盤胞移植(凍結融解胚移植)は自然排卵周期またはホルモン補充周期で行う。
自然排卵周期の場合は月経開始10 日目頃より数回の診察を経て排卵日が確定すれば、排卵後2~3 日目にリンス液を子宮内に注入する。さらに排卵後4~5 日目に凍結保存した胚盤胞を1 個融解して移植を行う。
ホルモン補充周期では月経開始2 日目から卵胞ホルモン製剤の投与を開始し、月経12~14 日目の診察でホルモン値や子宮内膜厚の確認後問題なければ月経15 日目より黄体補充を開始する。黄体補充開始後2~3 日目に、リンス液を子宮内に注入する。さらに黄体補充開始後4~5 日目に、凍結保存しておいた胚盤胞を1 個融解して移植を行う。
排卵または黄体補充開始後15 日目頃に血中hCG を測定し妊娠判定を行う。妊娠判定が陰性であれば、観察は終了とする。
妊娠判定が陽性となれば、引き続き経過を観察し超音波検査により胎嚢が確認できれば臨床妊娠と判定し観察終了とする。胎嚢が確認できなければ化学流産として観察は終了とする。