かんぽ生命 先進医療百科

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陽子線治療(肝細胞がん)

ようしせんちりょう(かんさいぼうがん)

  • 放射線治療 放射線治療

適応症

肝細胞がん(初発のものであって、肝切除術、肝移植術、エタノールの局所注入、マイクロ波凝固法又はラジオ波焼灼療法による治療が困難であり、かつChild―Pugh分類による点数が七点未満のものに限る。)

技術の実施期間

2016/06/01~2020/06/30

療養内容

本治療法は、加速された粒子線の一種である陽子線を患者の腫瘍性病変に照射して治療する。投与線量は、1回6.6GyE、1日1回、計10回、週5回、総線量66GyEとする。許容総治療期間は28日間とする。線量指示についてはClinical target volume(CTV)に対するD99指示とする(CTV の99%volumeをカバーする線量、98.5~99.4%までを許容)。門脈一次分枝、門脈本幹の少なくとも1つと主病変との距離が20mm未満の場合は、1日1回照射、計22回、週5回、総線量72.6GyE(RBE=1.1)。許容総治療期間は46日間とする。主要評価項目は全生存期間(3年全生存割合)である。
肝切除および局所療法の適応とならない肝細胞癌のうち、初発・単発・前治療無で、Child-Pugh Aの肝機能を有している場合に、本邦において保険診療上選択可能な治療はTACE、ソラフェニブ、X線による放射線治療であるが、本邦のコンセンサスに基づく肝細胞癌治療アルゴリズム2010(日本肝臓学会編)の推奨治療はTACE 単独治療となっており、最近はさらに超選択的TACEが主流になっている。同病態は2000-2005年に1485例が超選択的TACE単独治療(TACE後2年間他治療なし)がなされ、その累積生存率は3年で73%、5年で52%と報告されている。これに対し、同病態の1989-2009年の133症例に対する陽子線治療の生存率は3年82.6%、5年63.2%である。いずれもretrospective研究であるが、これらより陽子線治療の優位性が期待できる。
また、TACE後の有害反応として高率に疼痛、発熱、倦怠感、食欲低下、嘔気・嘔吐、肝機能低下などの塞栓後症候群と呼ばれる症状をきたすことが知られ、対症療法で軽快するが7-10日程度持続し、QOL低下や入院期間延長の原因となる。一方陽子線治療ではGrade3以上の急性期有害反応は報告されておらず、TACEの在院日数は本邦では7-10日程度が一般的だが陽子線治療は必ずしも入院を必要とせず、外来治療も可能である。

※当サイトの技術情報は厚生労働省ホームページより引用しております
引用元:先進医療の各技術の概要|厚生労働省 (https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/isei/sensiniryo/kikan03.html)

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  • 過去に承認されていた医療機関
手術 手術
先進医療特約のほか、総合医療特約の支払いの対象となる「手術」です。
手術 放射線治療
先進医療特約のほか、総合医療特約の支払いの対象となる「放射線治療」です。

※当サイトの技術情報は、厚生労働省ホームページより引用しております。

※データ収集は2012年7月1日より行っているため、実際の開始時期とは異なる場合があります。

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