ギルテリチニブ経口投与療法
ぎるてりちにぶ けいこうとうよりょうほう
適応症
進行再発非小細胞肺がん(ロルラチニブ経口投与療法が不忍容であるもの、またはロルラチニブ経口投与療法に抵抗性を有するものであって、ALK融合遺伝子陽性のものに限る。)
技術の実施期間
2025/05/01~
療養内容
ALK融合遺伝子陽性肺がん(ALK肺がん)に対しては現在5種類のALK 阻害薬が使用可能だが、実臨床では効果と安全性の面で優れた第二世代ALK阻害薬であるアレクチニブが用いられることがほとんどである。しかし、治療開始から数年以内に薬剤耐性となるため、二次治療としては第二世代ALK阻害薬であるブリグチニブ、もしくは第三世代ALK阻害薬ロルラチニブが用いられる。特にロルラチニブは他のALK阻害薬に耐性化を示す様々なALK二次変異に対して有効性が確かめられている。一方でロルラチニブ治療後もやはり薬剤耐性を生じるが、ロルラチニブに耐性化を生じるALK遺伝子変異に対して有効なALK阻害薬は開発されていない。
前臨床研究においてギルテリチニブの有効性が示されたため、ALK融合遺伝子陽性肺がんにおけるギルテリチニブの臨床開発を行う。ギルテリチニブは、再発又は難治性のFLT3遺伝子変異陽性の急性骨髄性白血病に保険適用を有することから、その安全性と有効性が十分に確かめられた薬剤であり、肺がん患者に対する有害事象のプロファイルが予測しやすく、ドラッグリポジショニングが容易である。