適応症
切除が不可能な食道表在がん
技術の実施期間
2024/05/01~
療養内容
遠隔転移やリンパ節転移リスクの低い肉眼的食道粘膜内癌に対しては内視鏡的切除(EMR/ESD)が標準治療であるが、透析患者や肝硬変等による出血傾向を有する患者、抗血栓療法の休薬困難などの場合には、術後合併症を引き起こすリスクが高いことから内視鏡的切除が敬遠されることがある。このような患者に対する外科的切除はさらに術後合併症のリスクが上昇し、術後後遺症によってQOLの低下が起こる可能性が高い。食道癌診療ガイドラインにおいても内視鏡的切除が困難な場合におけるアルゴンプラズマ併用高周波凝固焼灼療法(以下「APC療法」)が選択肢として示され、一定の安全性や有効性が報告されている。しかしながら、APC療法に係る手技は、現在、診療報酬として評価されていないのが現状である。これまで日本消化器内視鏡学会が中心となり診療報酬要望を行ってきたが、十分なエビデンスがないとの理由から認められなかった経緯がある。高齢化が進む我が国においては、併存疾患等によりEMR/ESDが困難な症例が増加すると予想され、手術と比べ低侵襲であり、小さな粘膜内癌に対象を限定することでEMR/ESDと同程度の治療成績を有するAPC療法の保険収載が望まれる。標準治療である内視鏡的切除のリスクが高い食道表在癌を対象に、APC療法の局所有効性と安全性を検証する多施設共同非盲検単群臨床試験を実施する。
○主要評価項目:
術後12週の局所完全奏効割合
○副次評価項目:
1)局所無再発生存期間
2)無再発生存期間
3)全生存割合
4)手段的日常生活動作
5)安全性:有害事象の発生割合
○予定試験期間:先進医療告示日~2028年10月(登録期間:~2026年10月)
○目標症例数:54例