網膜芽細胞腫の遺伝子診断
もうまくがさいぼうしゅ の いでんししんだん
適応症
網膜芽細胞腫の患者または遺伝性網膜芽細胞腫の患者の血族に係るもの
技術の実施期間
2009/11/01~2016/03/31
療養内容
従来の染色体検査に加えて、以下の検査を実施する。
①発端者診断
網膜芽細胞腫を発症した患者であって、原則としてその家系で最初に当該遺伝子診断を実施する外来を受診した者を、「発端者」と呼ぶ。発端者から約20ml採血し、血中のリンパ球からDNAとRNAを抽出する。これらを用いて、(ア)RB1遺伝子の全蛋白質コード領域およびプロモーター領域内の塩基配列解析 (イ)RT-PCR産物の塩基配列解析 を行い、網膜芽細胞腫の原因と考えられる遺伝子変異を同定し、遺伝性網膜芽細胞腫であるか否かを診断する。
②保因者診断
①の検査により、発端者のRB1遺伝子における変異が同定されていることが前提となる。未発症であるが発端者と家系を同じくする者(血縁者)から採血し、RB1遺伝子の塩基配列を解析する。血縁者のRB1遺伝子に当該発端者と同じ変異が認められた場合、当該血縁者は遺伝性網膜芽細胞腫の「保因者」であると診断される。保因者に対しては、眼底検査等を頻回に実施し、早期発見に努める。